新聞記者がこのような潤色をするのは、人々が、これらを求めているからである。自分の心の中にもともとある「悲劇」と「英雄譚」への渇望が、震災という格好のネタを見つけ出し、形にしてゆくのである。収められた他の記事も、そしてもしかすると、他の新聞・雑誌の記事も大同小異であろう。
この記事を収めた本のタイトルは『がれきの中で本当にあったこと』(産経新聞出版)である。記事のみならず、ジョークとしての質もあまりに低い。